Events 近況
2010年10月(その3)
中江要介/若月秀和・神田豊隆・楠綾子・中島琢磨・昇亜美子・服部龍二編『アジア外交 動と静――元中国大使中江要介オーラルヒストリー』(蒼天社出版、2010年)が刊行されました。
中江大使は、外務省アジア局長や在中国大使を歴任した外交官です。
国連、日韓国交正常化、ベトナム戦争、日台断交、福田ドクトリン、日中平和友好条約、中曾根外交などについて、存分に語っていただいています。
若月先生の解説や井上正也先生による外務省人事一覧のほか、コラムも多く入れてあります。
同書では、編者以外にも大勢の方々にお世話になりました。
この場をお借りして、深く御礼申し上げます。
2010年10月(その2)
新潟の田中角榮記念館に行って来ました。
まだ詳しくは書けないのですが、いずれ形にできればと思います。
2010年10月
10月3日の『日本経済新聞』記事「今を読み解く」で、栗山尚一/中島琢磨・服部龍二・江藤名保子編『外交証言録 沖縄返還・日中国交正常化・日米「密約」』(岩波書店、2010年)が紹介されました。
2010年9月(その4)
尖閣諸島をめぐり、日中関係が緊迫しています。
NHK「日曜討論」を見ましたが、各党が足の引っ張り合いのようになっていて、国会もその延長になってしまいそうです。
テレビを見ながら、超党派外交という言葉を思い出しました。
超党派外交というのは、外交を政争の具にすることを避け、内政と外交を分離するという考えです。
晩年の幣原喜重郎が衆議院議長として訴えたものでもあり、拙著『幣原喜重郎と二十世紀の日本―─外交と民主主義』(有斐閣、2006年)で論じたことがあります。
与野党の枠を超えて建設的な議論を重ねてほしいものです。
もう1つ、宰相学という言葉も思い出しました。
首相たるもの、外交、安全保障、憲法、教育という国の根幹に見識を持たねばならないというもので、ある元総理からお聞きしたことがあります。
経済力が低下していくときこそ、外交の力量が問われるのかもしれません。
2010年9月(その3)
9月23日の『毎日新聞』に栗山尚一元外務次官・駐米大使のインタビュー記事が掲載されました。
栗山尚一/中島琢磨・服部龍二・江藤名保子編『外交証言録 沖縄返還・日中国交正常化・日米「密約」』(岩波書店、2010年)に関するものです。
お陰様で、同書は増刷になりました。
2010年9月(その2)
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岡田克也外相が9月17日の会見で、栗山尚一/中島琢磨・服部龍二・江藤名保子編『外交証言録 沖縄返還・日中国交正常化・日米「密約」』(岩波書店、2010年)に論及されたようです。
外務省ホームページのリンクをこちらに貼っておきます。
関連する部分を以下に引用させていただきます。
その他、思い出深いのは、密約の問題で、これは一定の成果を出すことができたのではないかと思っております。最近、栗山元次官が岩波書店から本を出されまして、守秘義務が解けたのでということでかなり詳細に語っておられますが、今回のこの密約についての資料の公開と報告書が、これからの戦後外交の一つの側面をしっかりと深い議論を行っていく、そういうきっかけは作ることができたのではないかと思っております。もちろん、文書の公開ルールを作って体制を整えたことも、非常に思い出深いことであります。
2010年8月(その5)
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栗山尚一/中島琢磨・服部龍二・江藤名保子編『外交証言録 沖縄返還・日中国交正常化・日米「密約」』(岩波書店、2010年)が刊行されました。
2年前から行ってきた栗山尚一元外務次官・駐米大使へのインタビュー記録です。
沖縄返還、日中国交正常化、アジア外交、歴史問題、日米「密約」などを語っていただいています。
とりわけ、佐藤・ニクソン共同声明や日中共同声明の策定では、中心的な役割を果たされています。
沖縄返還と日中国交正常化は現代日本外交の原点ですので、多くの方に関心を共有していただけると思います。
日米「密約」については、守秘義務が解除された後に重ねてお聞きしてあります。
「核密約」の引き継ぎ文書ともいわれる「東郷メモ」、安保改定時の「討議の記録」「朝鮮議事録」、沖縄返還における「核密約」と「財政密約」などに関して、率直に語っていただいています。
ライシャワー発言後の「栗山メモ」では、「日米安保体制に対する国民の信頼感が崩れていく危険がある」と記されており、非核三原則とアメリカ核政策の間で日米「密約」と葛藤した証言には迫力があります。
同書のインタビューでは、編者以外にも多くの方々にご協力いただきました。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。
《付記》 岩波書店ホームページの「立ち読み」にリンクを貼っておきます。PDFで開きます。
2010年8月(その4)
日中関係史の研究合宿で大島に行って来ました。
1泊2日の合宿でしたが、10本のご報告を拝聴し、とても勉強になりました。
大島へは、調布空港から飛行機で25分ほどでした。
2010年8月(その3)
8月3日の日本記者クラブで森田一氏が講演し、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)が紹介されました。
こちらにリンクを貼っておきます。
1分50秒ごろに同書の紹介があります。
お陰様で、森田一『心の一燈 回想の大平正芳』は第3刷になりました。
2010年8月(その2)
柴田光滋『編集者の仕事――本の魂は細部に宿る』(新潮新書、2010年)を興味深く読みました。
本作りへの愛着、そして職人気質(かたぎ)ともいうべき隅々へのこだわりが伝わってくるようでした。
次のような一節も印象的です。
編集者にとって、聞き書きとはその世界の第一人者の方から長時間にわたって独占的に話が聞けるチャンス。よく私は「月給をもらった上に最高の授業が受けられる」などと冗談を飛ばすのですが、これもまた編集者冥利に尽きる仕事です(200頁)。
書き手からすると、校閲がしっかりしている出版社は非常にありがたいものです。
この点、以下のくだりに首肯する方は多そうです。
最後に、まことに書きにくい話なのですが、触れざるをえないことがあります。校正は収益に直結しない仕事のため、そこにあまり経費をかけない出版社が少なくありません。事情はわかりますが、出版文化を考えると、これはいささか残念なことです(90頁)。
2010年8月
8月1日のNHK総合テレビ「プロジェクト JAPAN シリーズ 日本と朝鮮半島 第5回 日韓関係はこうして築かれた」に少しだけご協力させていただきました。
このようなドキュメンタリーを拝見いたしますと、公文書には残らないであろうような部分を埋めるものとして、インタビューの重要性をあらためて認識させられます。
番組では、河野一郎らが竹島問題に介入し、日本外務省が知らないうちに領土問題で譲ったと扱われていたようです。
二元外交の危うさにほかならないのですが、河野らの意図をもう少し掘り下げてもよかったように感じました。
おそらく河野らは、漁業交渉を領土問題と切り離し、領土問題によって漁業面で日本が不利にならないことを意図していたのではないかと推測されます。
漁業を竹島問題と切り離すという点では、1998年の日韓漁業協定も同様だったかと思います。
なお、番組に登場された一部の元首相や元大使につきましては、別の形でオーラル・ヒストリーの公刊を進めています。
2010年7月(その3)
ロシア史研究会の例会にて、富田武『戦間期の日ソ関係 1917-1937』(岩波書店、2010年)について書評報告いたしました。
内外の史料を探求された富田先生のご論考につきましては、原型となった論文のころから拝読していただけに、大変に勉強になりました。
外交交渉のみならず、日露協会をはじめとする各種団体や通商関係、さらには諜報や相互イメージなどが視野に入れられています。
例会については、こちらにリンクを貼っておきます。
2010年7月(その2)
学内誌『中央大学学員時報』第464号(2010年7月25日)にインタビュー記事が掲載されました。
主に、拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)に関するものです。
いままでの研究や今後についても、お話しさせていただきました。
2010年7月
日中関係史の共同研究を進めておりまして、10数名の方々と第2回の会合がありました。
現代中国の研究者と外交史の研究者が半々といったところでしょうか。
普段あまり接点のない先生方とお目に掛かれただけでも、共同研究の意義は大きいように思います。
ある財団からご支援を得ていますので、こちらにリンクを貼っておきます。
2010年6月
拙文「日中歴史認識と『田中上奏文』」(『UP』第452号、2010年6月)が公表されました。
『UP』は、東京大学出版会の小冊子です。
拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)への橋渡しになることを念頭に置きました。
2010年5月(その5)
東アジア国際政治史研究会を次のように開催しました。
報告1:菅野直樹(防衛省防衛研究所)「書評:片山慶隆『日露戦争と新聞――「世界の中の日本」をどう論じたのか』(講談社、2009年)」
討論:片山慶隆(関西外国語大学)
報告2:服部龍二(中央大学)「森田一『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)について」
2010年5月(その4)
5月24日の『読売新聞』で、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)が紹介されました。
森田一氏のインタビューも掲載されています。
大平の政策や思想に加えて、政治とメディア、大衆のあり方を考えさせるような記事になっています。