Events 近況
2010年8月(その3)
8月3日の日本記者クラブで森田一氏が講演し、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)が紹介されました。
こちらにリンクを貼っておきます。
1分50秒ごろに同書の紹介があります。
お陰様で、森田一『心の一燈 回想の大平正芳』は第3刷になりました。
2010年8月(その2)
柴田光滋『編集者の仕事――本の魂は細部に宿る』(新潮新書、2010年)を興味深く読みました。
本作りへの愛着、そして職人気質(かたぎ)ともいうべき隅々へのこだわりが伝わってくるようでした。
次のような一節も印象的です。
編集者にとって、聞き書きとはその世界の第一人者の方から長時間にわたって独占的に話が聞けるチャンス。よく私は「月給をもらった上に最高の授業が受けられる」などと冗談を飛ばすのですが、これもまた編集者冥利に尽きる仕事です(200頁)。
書き手からすると、校閲がしっかりしている出版社は非常にありがたいものです。
この点、以下のくだりに首肯する方は多そうです。
最後に、まことに書きにくい話なのですが、触れざるをえないことがあります。校正は収益に直結しない仕事のため、そこにあまり経費をかけない出版社が少なくありません。事情はわかりますが、出版文化を考えると、これはいささか残念なことです(90頁)。
2010年8月
8月1日のNHK総合テレビ「プロジェクト JAPAN シリーズ 日本と朝鮮半島 第5回 日韓関係はこうして築かれた」に少しだけご協力させていただきました。
このようなドキュメンタリーを拝見いたしますと、公文書には残らないであろうような部分を埋めるものとして、インタビューの重要性をあらためて認識させられます。
番組では、河野一郎らが竹島問題に介入し、日本外務省が知らないうちに領土問題で譲ったと扱われていたようです。
二元外交の危うさにほかならないのですが、河野らの意図をもう少し掘り下げてもよかったように感じました。
おそらく河野らは、漁業交渉を領土問題と切り離し、領土問題によって漁業面で日本が不利にならないことを意図していたのではないかと推測されます。
漁業を竹島問題と切り離すという点では、1998年の日韓漁業協定も同様だったかと思います。
なお、番組に登場された一部の元首相や元大使につきましては、別の形でオーラル・ヒストリーの公刊を進めています。
2010年7月(その3)
ロシア史研究会の例会にて、富田武『戦間期の日ソ関係 1917-1937』(岩波書店、2010年)について書評報告いたしました。
内外の史料を探求された富田先生のご論考につきましては、原型となった論文のころから拝読していただけに、大変に勉強になりました。
外交交渉のみならず、日露協会をはじめとする各種団体や通商関係、さらには諜報や相互イメージなどが視野に入れられています。
例会については、こちらにリンクを貼っておきます。
2010年7月(その2)
学内誌『中央大学学員時報』第464号(2010年7月25日)にインタビュー記事が掲載されました。
主に、拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)に関するものです。
いままでの研究や今後についても、お話しさせていただきました。
2010年7月
日中関係史の共同研究を進めておりまして、10数名の方々と第2回の会合がありました。
現代中国の研究者と外交史の研究者が半々といったところでしょうか。
普段あまり接点のない先生方とお目に掛かれただけでも、共同研究の意義は大きいように思います。
ある財団からご支援を得ていますので、こちらにリンクを貼っておきます。
2010年6月
拙文「日中歴史認識と『田中上奏文』」(『UP』第452号、2010年6月)が公表されました。
『UP』は、東京大学出版会の小冊子です。
拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)への橋渡しになることを念頭に置きました。
2010年5月(その5)
東アジア国際政治史研究会を次のように開催しました。
報告1:菅野直樹(防衛省防衛研究所)「書評:片山慶隆『日露戦争と新聞――「世界の中の日本」をどう論じたのか』(講談社、2009年)」
討論:片山慶隆(関西外国語大学)
報告2:服部龍二(中央大学)「森田一『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)について」
2010年5月(その4)
5月24日の『読売新聞』で、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)が紹介されました。
森田一氏のインタビューも掲載されています。
大平の政策や思想に加えて、政治とメディア、大衆のあり方を考えさせるような記事になっています。
2010年5月(その3)
政治史や外交史を研究していると、人名や役職を特定するのにひと苦労ということがあります。
特に、インタビューをテープ起こしするような場合、時として名字しか分からず、年代も曖昧になりがちです。
そんなとき、しばしば官報のデータベースが役に立つようです。
大学図書館でも利用できるのですが、使用する頻度が増えているため、少し前から個人で年間契約しています。
2010年5月(その2)
5月10日の『東京新聞』社説で、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)に論及していただきました。
2010年5月
5月1日の『朝日新聞』土曜版「be」に、「大平正芳 静かなブーム」という記事が掲載されました。
そこでは、森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)にも記述を割いていただきました。
森田一氏のインタビューも紙面を飾っています。
そのほか、大平急逝までを描いた小説が映画化されるというくだりには、一驚を喫しました。
6月12日の没後30年に向けて大平は、しばらく注目され続けるのかもしれません。
2010年4月(その5)
4月25日の『毎日新聞』に森田一/服部龍二・昇亜美子・中島琢磨編『心の一燈 回想の大平正芳――その人と外交』(第一法規、2010年)の書評が掲載されました。
今年は大平正芳の生誕100年、没後30年ということもあり、あらためて大平が注目されているようですね。
2010年4月(その4)
4月19日の『読売新聞』にインタビュー記事が掲載されました。
拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)に関するものです。
「田中上奏文」を研究した動機、「田中上奏文」の起源、満州事変後の情報戦、国際連盟における松岡洋右・顧維鈞論争、中国に対する広報外交、日中の発想の違い、日中歴史共同研究、今日的な意味などについて、うまくまとめていただきました。
日中歴史共同研究には批判的な報道が多かっただけに、「中国側も上奏文が偽物であることは理解し始めているという。地道な対話の意義は決して小さくないといえよう」という結語に救われたような気がいたしました。
2010年4月(その3)
三省堂書店のブログに拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)の書評が掲載されました。
内容を的確に、しかも分かりやすく紹介していただき、とても感謝しております。
神保町の三省堂書店には、高校生のころからよく足を運んでおり、懐かしく思いました。
お陰様をもちまして、ちょうど同書が増刷になったところでした。
2010年4月(その2)
4月14日の『毎日新聞』夕刊にインタビュー記事が掲載されました。
拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)に関するものです。
記者の栗原俊雄氏は、2冊の岩波新書などでも知られています。
インタビュー記事を掲載していただきましたことに、深謝申し上げます。
2010年4月
4月4日の『朝日新聞』に拙著『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)の書評が掲載されました。この場をお借りして、深く御礼を申し上げます。
2010年3月(その5)
拙稿「田中首相・ニクソン大統領会談記録――1972年8月31日、9月1日」(『人文研紀要』第68号、2010年3月)が公表されました。
日米首脳会談の外務省記録を翻刻したものです。
会談では、田中、ニクソンのほか、大平外相やキッシンジャー補佐官も加わり、貿易摩擦や中国問題について議論しています。